出産後に感じる不安感やイライラの原因はマタニティブルーによるもの!?
「赤ちゃんを授かる」誰もがうれしく思い、早く生まれてきてくれないかな、と周りは熱望するものです。しかし妊娠・出産は母体にとても大きな影響を与えます。
時にそれは歯や骨が脆くなったり、下半身に脂肪が溜まるようになったり、骨盤がズレたりといった身体的な事だけでなく体の中でも大きな変化が起こっています。
今回はそんな妊婦さん達が出産後にイライラしたり、涙もろくなってしまうなど情緒不安定になってしまうマタニティブルーについて記事を書いてまいります。
マタニティブルーは出産後の母親がこれからの育児に漠然としたプレッシャーを感じたり、女性ホルモンの乱れが原因で引き起こされます。出産を控えている方はもちろん、そばで寄り添われる方にも是非、読んでいただきたいと思います。
マタニティブルーの原因
さて、ではマタニティブルーの主な原因についてみていきましょう。マタニティブルーを引き起こす原因は冒頭でもご紹介した通り、ホルモンバランスの変化と産後の育児に対する不安などによって引き起こされます。少し学術的な単語が多くなってしまいますが、他に表現がありませんのでお付き合いください。
まず初めに女性が妊娠すると女性ホルモンの分泌量が増加していきます、具体的にはエストロゲンやプロゲストロンと呼ばれるものです。しかし、出産するとこれらのホルモンの分泌は減少し、代わりに母乳を出すためにプロラクチンと呼ばれるホルモンが分泌されます。
約一年間の間にそれだけ急激にホルモンの分泌が変化すると、脳はその変化に順応できず、神経伝達や自律神経に影響を与え、不安な気持ちや孤独感が増幅します。
さらにいえばホルモンバランスの乱れだけでなく、単純にしっかりと産めるだろうか、キチンと子育ては出来るだろうか、しっかりとした母親になれるだろうか。といった不安な気持ちに苛まれます。
特に普段から責任感が強く、仕事や家事を完璧にこなしたがる女性はこういった未知への恐怖や、周囲のプレッシャー、身体の急激な変化に精神的・肉体的なストレスを感じてしまいマタニティブルーに陥ってしまう傾向があります。
産後に起こりやすい病や問題
産後はマタニティブルーだけに限らず色々な問題が夫婦間に起こる可能性があります。
例えばマタニティブルーと同様に不安感やイライラ、情緒不安定に陥ってしまう「産後うつ」もその一つです。症状はマタニティブルーとほとんど変わりませんが、異なるのは改善までの期間です。
マタニティブルーが一過性のもので1週間から10日で改善していくのに対して産後うつは治療する努力を行わないと治りません。もしも2週間~1か月ほども症状が続いている場合は一度専門家に相談することをおススメします。
そのほかに起こる可能性がある問題として産後クライシスも挙げられます。これは簡単にいえば母親と父親の意識に差が出来、二人の間に軋轢を生み、夫婦仲が冷めてしまうことです。
女性の場合、妊娠が発覚してから少しずつ大きくなっていく胎児の鼓動を感じることができます。そして徐々に母親としての自覚が出来上がり、産後しばらくすると一人の女性ではなく自分が母親であると認識していくようになります。
一方、男性の場合、奥さんの身体に新しい命が宿っていると頭ではわかっていても実際はどのようなものなのかよくわかっていません。その結果、無事に出産が済み、胎児を見て初めて父としての自覚が芽生え始めます。
しかし、一年前から徐々に意識していた女性と異なり、どこか当事者意識が希薄な所が見受けられ、ずっと幼児のそばにいる母親よりも育児慣れが遅く、女性の望むように手助けすることができず、次第に母親側は父親は役に立たないという認識をもち、結果として夫婦仲が冷めて行ってしまうということがあるようです。
マタニティブルーの対策
マタニティブルーはどんな女性にも起こりうる症状です、特に最初の出産は不安を感じて当然だと思います。なぜなら私たち大人の性格や考え方はすべからくいままでの経験や体験によってできているからです。
ですから初めての体験や経験は出産に限らず不安を感じるものであり、さらにいえば人間の精神は初めてのことを恐れ、不安を感じるように出来ているのです。
つまり、まずはその不安や恐怖が当然起こるものである、という認識を持つことが大切です。未知の恐怖は漠然と捉えているとさらに不安を増幅させてしまいます。目の前にある不安を一つ一つ具体化していくと不安は少しずつ改善していきます。
そして具体化していく最初の一歩はやはり誰かと話すことです。人はだれかに悩みを打ち明けることで大抵の悩みを乗り越えることが出来ます。
誰かに悩みを話すときは自分の現状がどうなっていて、こういった事に不安を抱えているのだ、と伝えると思います。そして伝えるためには自分の現状をしっかりと認識しなくてはいけません。つまり話すという事は頭を整理してあげることと同じなのです。
またこの場合の話相手は、やはり同年代の出産経験がある女性が望ましでしょう。産後クライシスでも説明しましたが、女性と男性が出産について対等に話すことは難しいですし、自分の母親からもらうアドバイスは10年20年以上も前の経験ですから、現代には即していない場合も考えられます。
あるいは周りにいる人たちにも出来るだけの協力を仰ぎましょう、人によって不安を解消するための行動は様々です。いつでも話しかけてほしい人、放っておいてほしい人、落ち込みたい人、笑っていたい人、千差万別という言葉がある通り、あなたの悩みの解決方法は自分だけが知っているものです。
ですからその手助けの方法もあなたが発信する方が解決につながるはずです。そして最後はなるべくポジティブな思考回路を持つことが大切です。
不安を感じていても仕方がない、なるようにしかならない、医療機器が備わっていない大昔でも妊娠・出産は成功しているんだから、自分が乗り越えられないわけがない。と心根をしっかりと持てると一番良い精神状態を保てると思います。
まとめ
今回は、妊娠・出産におけるお悩みであるマタニティブルーについて記事を書いてまいりました。女性特有の悩みではありますが、周りにいる男性は自分にはわからないから、と放置せず自分は体験できないからこそよく調べ、マタニティブルーについて詳しくなっていただきたいと思います。
その姿勢がなによりも出産のストレスを和らげ、妊婦さんを支えてあげることにつながります。また出産を控えている女性は対策の章でも触れたように、人とたくさん話しをして、なるべくポジティブな心持でいることを心がけましょう。
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