サッカー選手必読!!股関節に現れる痛み、グロインペイン症候群とは!!
スポーツを楽しむ方にとって厄介なスポーツ障害は様々です。例えば、子供ならば成長期に膝に痛みが現れるオスグッド病、お年を召した方であれば肉離れ、脱臼、骨折など挙げればキリがありません。
今回はそんなスポーツ障害の中でも特にサッカー選手によくみられるグロインペイン症候群に注目してみたいと思います。この疾患は股関節(鼠径部:そけいぶ)に痛みが現れるのが特徴的で重症化するとプレーをしていなくても常に痛みが現れるようになったりします。
それでは記事を進めてまいります。
グロインペイン症候群とは
ではまず初めに、このグロインペイン症候群の名前の由来からご紹介します。
「グロイン」というのは、股の関節(鼠径部:そけいぶ)の意味でこの周辺に「ペイン」つまり痛みが現れるのが由来です。その名の通り股の関節やその周辺に様々な痛みが現れる症状を総称してこのように呼ばれます。
この疾患は、別名:鼠径部症候群とも呼ばれていますが、特にサッカー選手に多く発症することからサッカー選手の職業病であるとも言われています。有名な所では以前、日本代表のキャプテンをしていた長谷部選手もこの疾患を患っています。
この疾患は過剰なトレーニングや、プレースタイルが主な原因であると言われていますが、医学的にはっきりとはしていません。また痛みが慢性化しやすいのでスポーツ人生を左右してしまう様なスポーツ障害の一つでもあります。
グロインペイン症候群の原因
グロインペイン症候群の原因は一口に言えるものではありません。人の身体は一つながりで出来ていますから痛みが出るからそこに原因がある、と単純に結びつかないのです。
例えば、スポーツ選手に必要な筋肉トレーニングでも人によって腹筋が好きだったり、背筋や腕立て伏せが好きだったりします。そういった好みによって腹筋と背筋、あるいは屈筋(屈む筋肉)伸筋(のばす筋肉)のバランスが崩れることで発症してしまう可能性もあります。
あるいは単純に体幹のバランスが崩れることで発症してしまう可能性もあります。特にサッカー選手の場合、他のスポーツよりも圧倒的に下半身をよく使いますのでここにも原因の一端があると考えられます。
例えばサッカーはボールを蹴るスポーツです。この時、右利きの選手であれば右足で蹴る時は左手が上がり、シュートを打つときには左手を下げて右足を上げます。これはクロスモーションと呼ばれ、力強くボールを蹴る時に必要な動作です。
人体の構造からみると、脚の筋肉は反対側の肩甲骨周辺の筋肉と連動していますから、脚と反対側の腕を上げることで身体の中でバネを生み出し、その反動を使って速くて鋭いシュートが打てるようになるのです。
つまりサッカー選手に欠かせない強くボールを蹴る動作は下半身だけでなく、上半身も一緒に使用するため、常に中心となる股関節周辺に強い負荷とストレスを掛けているといえるのです。
その結果、内転筋(足を捩じる筋肉)、腰回り、鼠経管後壁(そけいかんこうへき:前側の性器周辺)、外腹斜筋腱膜(がいふくしゃきんけんまく:お腹からお尻に向かって走るスジ)、恥骨周辺に炎症が起こり、痛みが発するようになるのがグロインペイン症候群の主な原因といえます。
グロインペイン症候群の対策ストレッチ
グロインペイン症候群の対応策としては、体幹を鍛えて身体の中心となる筋肉のバランスを良くしてあげることだと思います。
体幹が鍛えられるとグロインペイン症候群の予防に繋がるだけでなく、重たいものを持ってもよろけなくなったり、筋肉が生み出したエネルギーがキチンと伝わるようになって普段よりもチカラを発揮できるようになります。
または姿勢の矯正、腰痛の改善、疲れが溜まりにくくなるといったメリットがあるので老若男女問わずオススメします。
体幹を鍛えるストレッチ:
体幹を鍛える時は、筋肉痛になるようなトレーニングではなくて、どちらかと言えばヨガの練習方法に近いです。
まずは両手を床に付いて四つん這いの状態になります。
そして右手を前に挙げると同時に反対の左足を後ろにまっすぐ伸ばし、その姿勢を約5秒間キープします。次にその姿勢から右手の肘を左足の膝にくっつけ、この状態を5秒間キープしてみましょう。
左右交互にこの動きを行い、3セットほど繰り返します。
次に横向きになって床に寝そべります。例えば右半身が上(空の方)を向いている場合、左肘と左足の付け根を使って身体を浮かせ、右手を腰に当て、脚を開きます。
この状態を5~10秒維持し、元に戻ります。左右反対にして同じ動作を繰り返し、これも3セットほど繰り返します。
体幹トレーニングは筋肉痛を伴うトレーニングと異なり、筋肉に痛みが出ることはありません。また続けて行うことでお腹周りがすっきりしてダイエット効果も期待できますので毎日トレーニングすることをオススメします。
まとめ
今回はグロインペイン症候群または鼠径部症候群と呼ばれる、ランニングやシュートなどの動作に伴って股関節に痛みを発症する疾患について確認してきました。
文中でも触れましたが、他のスポーツに比べてサッカー選手に起こる場合が多く、一度、発症してしまうと治るのに時間が掛かるという特徴もあります。
また治療方法が確立されていませんので、重症化しないためには早期発見がとても大切です。股関節に痛みや違和感があれば専門家に相談してみましょう。
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