脊柱が捻じれる!?脊柱側弯症とは!?

思春期の女性にとって最も気になることは周りの目だと思います。それは家族、異性、友人問わず自分が周りにどのようにみられているのか?がとても気になる時期です。

しかし中にはそういった目を気にして過剰なダイエットをしてしまい、拒食症、過食症、あるいは思春期痩せ症といってその時期に十分な栄養を取らなかったために第一次・第二次性徴などに影響を及ぼしてしまう場合もあります。けれど自分の意志ストレスなどに端を発するそれらの疾患とは異なり、原因がわからないまま姿勢が崩れてしまったり、その影響で内臓不全などを生み出す疾患もあります。今回ご紹介する脊柱側弯症もその一つです。

この疾患は簡単に言えば背骨が曲がったり・捻じれたりすることで真っすぐな姿勢が保てなくなるものです。それでは詳しく見てまいりましょう。

脊柱側弯症とは?

骨格模型をご覧になったことがある方は多いと思いますが、まずは背骨についてご説明しましょう。私たちの背骨はレントゲン写真で見ると前からは縦に真っすぐ、横からみるとS字カーブを描くように出来ています。

この理由は体重の一割とも言われている頭部の重さを支え、体重を支え、そして動き回るときには身体の中心になって姿勢を保てるように柔軟なつくりになっています。

また背骨は一本の骨から出来ているのではなく椎骨(ついこつ)という骨が積み木のように重なることで前後左右への動きを可能にし、その中心には穴が開いていてそこを脳からの電気信号を身体に伝える脊髄が通っています。

そして首からお尻にかけて伸びるこの椎骨全体のことを脊柱と呼びます。冒頭にも書いていますが、この脊柱が曲がってしまったり、捻じれてしまうのが脊柱側弯症です。この疾患は椎間板ヘルニアや普段の姿勢によって曲がってしまう一時的なものもありますが、八割以上は原因がわかっておりません。

脊柱側弯症はいつ発症する?症状は?

原因のわからない脊柱側弯症特発性側弯症と呼ばれ二十歳未満の子供たちに多く発症します。中でも3歳以下男児に多く(乳幼児期側弯症)、10歳以降女児に多く(思春期側弯症)発症します。

先ほどの通り、原因は不明ですが、家族内で発症が見られることから遺伝子が原因であるという意見や特に思春期の女性の多く発症することからこの時期に分泌されるホルモンが影響しているのではないか、という見解もあります。

脊柱側弯症の具体的な症状は、まずは背骨の変形によってキレイな姿勢が保て無くなったり、真っすぐに歩くことができない、あるいは背骨の変形によって内臓がズレてしまうことで内臓不全が起こったり、同様にを圧迫してしまうことで呼吸困難に陥ってしまう方もいらっしゃいます。また変形が重症化すると脊髄を圧迫するようになるので腰痛下半身の痛み、しびれなどを伴うケースもあります。

この疾患は原因がわからないと先ほども述べましたが、早期に発見することで大掛かりな手術を行わなくても矯正できる治療法が確立されてきているのですが、重ねて言うように思春期の女性にとって周りと自分が異なっているという事はすぐに受け入れることが難しく、自分一人で不安を抱えて誰にも相談せず、重症化してから発覚してしまうことがほとんどです。

また初期段階では痛みを感じることもありませんのでちょっとした違和感で済ましてしまうことも多く、やはり放置してしまうものです。さらにこの時分では恥ずかしさから自分の身体を人に見せる事にも抵抗があり、保護者の方でも見つけることは難しいといえます。中には気づかないまま成人になって、屈伸運動や肩の位置がずれていることで始めて自分が脊柱側弯症であったと気づく方もいらっしゃいます。

もしも子供の姿勢や様子に違和感がある時は慌てずに前屈をさせてみてください。この時に肩が左右非対称だったり、肩甲骨が不自然に出っ張っている(左右どちらかの肩甲骨が盛り上がっている)、などの特徴があった場合は脊柱側弯症を疑い、専門家に相談してみるのがよいでしょう。

まとめ

今回は二十歳未満の男・女児に多く見られる脊柱側弯症について記事を書いてまいりました。文中でも触れている通り、この疾患は早期発見で効果的な治療法があるにも関わらず、なかなか見つけることが出来ません。また見つけることが出来ても本人にとっては受け入れがたく、専門家に相談することを嫌がってしまうかもしれません。そんな時は、まずは慌てないことが大切です。

本人は冷静にしていても当然、心の底では不安を感じているものですから、その時に保護者が慌てていると不安は増長され、精神的なストレスとなってしまいます、まずは落ち着いて冷静に諭してあげるようにしましょう。姿勢の変化に関わらず、肩こり、腰痛、膝の痛み、スポーツ障害などに悩んだ際はお気軽に当院までご相談ください。

脊柱側弯症

Posted by nomura_staff