原因は筋肉不足?更年期高血圧!
中高年の男性が集まると、必ず話題に上がるのが健康に関する話題だと思います。尿酸値が増えたとか、悪玉コレステロールが多い、血糖値が上がっているから飲酒を控えるように言われた、、、など様々です。
そしてそういった健康に関する問題で一番に挙げられるのがやはり血圧です。人によって血圧を気にする理由は違うかもしれませんが、やはり高血圧によって起こる疾患は脳卒中、くも膜下出血、心筋梗塞、狭心症など発症するだけで命を失ったり、適切な対処をしなければ後遺症が残るようなものが多いから気にされる方も多いのだと思います。
しかし、血圧を気にするというとどうしても男性をイメージしてしまいガチではないでしょうか、実は中高年になると女性特有の理由から知らないうちに高血圧になっている女性も多くいるのです。今回はそんな更年期に起こる高血圧症について記事を書いてまいりたいと思います。
更年期高血圧?なにが起こっているの?
冒頭でも述べていますが、高血圧というと女性よりも男性が陥りガチというイメージがあると思います。この理由は塩分の多い食生活や会社の同僚や友人などと飲み明かしたり、喫煙、そして食生活や運動不足による肥満体系を挙げることができると思います。
一方、今回のテーマである更年期高血圧はむしろ、痩せている女性に起こる傾向があります。例えば男性でも女性でも時期に違いはあれど、幼児~成長期を経て青年期、中年、そして初老と身体が変化していくことは変わりませんが、男性と女性で明らかに異なる身体の変化というものがあります。それがホルモンです。
男性は成長期~二十歳を迎えるころまでに男性ホルモンが分泌された後、死ぬまで多少の減少はあれど、あまり変化がありません。しかし女性は月の月経や妊娠・出産で分泌されるホルモンに変化が現れます。
代表的な女性ホルモンといえばエストロゲンやプロゲステロンですが、これらは月経前に分泌が始まり、月経が終わると分泌が止まります。また妊娠・出産時にはさらに多くの変化があり、妊娠を促すホルモン、出産に備えて身体を柔らかくするホルモン、母乳を出しやすくするホルモン、というように身体から分泌されるホルモンが逐一変化します。
こういった変化は女性の身体に影響を及ぼすのはもちろん、精神にも影響を与えます。男性に理解されがたい月経前のイライラや妊娠中の情緒不安、あるいはマタニティーブルーや出産後の産後うつなどはこれが原因といえます。
閉経期になると、血圧が上がる?
さらに閉経期に差し掛かるとこの問題はさらに顕著になっていきます。ちなみに閉経期とは卵巣の活動が次第に無くなっていき、月経が止まってしまう状態ですが、早い人では40台、遅い人でも50台の後半あたりには閉経期に差し掛かります。
では閉経期に入るとどうなるかというと、先ほども登場したエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンを分泌することが難しくなるのです。しかし、まだまだ元気な脳は女性ホルモンを分泌しなさいという命令を卵巣に出します。
この双方の食い違いによって女性ホルモンをコントロールしている脳の視床下部が混乱を来します。また視床下部は自律神経を司っていますので、自律神経も乱れてしまうというわけです。
さらにこれは男性でも女性でも変わりませんが、加齢とともに血管は老化していき、その柔軟性を失っていきます。心臓がポンプのような役割をして全身に血液を流していることはご存知の方が多いと思いますが、心臓のポンプのチカラだけでは全身に張り巡らせた血管に血流を流し、再び心臓に帰ってくることはできません。
それを補助しているのが血管の柔軟性であり、身体の筋肉なのです。つまり柔軟性が下がると血流が巡りにくくなり、それでも血流は流さなければならないので、心臓が無理をして高血圧になるというわけです。
加えて女性の場合は先ほども登場したエストロゲンが血管を柔軟にし拡張・収縮させる役割を担っていますので、これが失われることでさらに高血圧のリスクが高まってしまうというわけです。
また前章の冒頭にもありますが、更年期高血圧の症状が痩せている女性に多く見られる理由は筋肉量が低下することで血管の収縮を補助する働きが失われることと、下半身で行われ、心臓に血流を返すための補助をしている筋ポンプ作用という活動が上手くできないことによって、やはり心臓への負担が増えてしまうからです。
まとめ
今回は女性の閉経期までに至る、身体の変化とそれによって起こる更年期高血圧について記事を書いてまいりました。一見変わらずに歳をとっているように見えて、男性と女性の老い方には大きな違いがあることがお分かりいただけたと思います。
高血圧はもちろん、男性も気を付けなくてはいけない問題ですが、普段から気にしていて自覚のある男性に比べて女性の高血圧は気づかれない場合が多くあります。それはやはり高血圧は男性がなるものであるという認識が強くあるからだと思います。
しかし、更年期高血圧は50台女性の約六割がかかっている問題だといわれており、決して他人事ではありません。いつまでも健康で若々しくいるために、身体のケアを怠らないようにしましょう。
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