切れる前に気を付けよう!!アキレスけん断裂!!

日常生活を営んでいると、大きな病気に掛かったり身体が動かなくなるような事態にならなければ、あまりご自身の身体劣化というものを認識しないものです。例えば老化が顔に表れ、しわが増えてきたとしても身体はいつも通り動くし、食欲も問題ないといった状態であればなおさらです。

しかし、特別に気を付けていない限り、やはり人間の身体は歳を重ねるごとに劣化していき、時には自分の状態に気づかずにひさしぶりに激しい運動をしてケガをしてしまう時があります。

今回ご紹介するアキレス腱断裂は名前は非常に有名なのでほとんどの方がご存知だと思いますが、40代あたりの方が柔軟運動などもせずに激しい運動を開始することで起こるケガの一つです。アキレス腱の断裂には大抵、初期症状がありますが、それに気づかずに断裂してしまうと数週間~数か月かけないと元には戻らないような事態に陥ります。

それではアキレス腱の構造なども含めて詳しく確認してまいりましょう。

アキレス腱の構造とは?

アキレス腱に限らず人間の身体はすべて一つの繋がりで出来ています。その為、腰痛の問題が肩こりを引き起こしたり、腰部の問題が下半身の痛みしびれといった一見関係ない所に影響を及ぼすことがあります。

アキレス腱ハムストリング(ふとももの筋肉)からずっと下まで伸びた筋肉がふとももの裏の腓腹筋(ひふくきん)やヒラメ筋に集約されてそこから踵骨(かかとの骨)へと繋がっています。そしてヒラメ筋の下から腓骨をつなぐ腱アキレス腱と呼ばれています。

ちなみに靭帯がごっちゃになっている方は多いと思いますが、というのは筋肉をつなげる組織で、靭帯というのはをつなげる組織ですので、豆知識として覚えておくとよいかもしません。

アキレス腱の主な役割歩く走る跳ぶといった活動はもちろん、つま先立ちになったり、踏ん張って重たい荷物を持つ時などにも使用されます。またアキレス腱を動かすうえで欠かすことができない組織ですので非常に強固に作られているわけですが、例えばスポーツ選手のように毎日練習をして酷使していたり、冒頭のように劣化した状態でいきなり強い負荷をかけることで断裂してしまいます。

それからハムストリングから伸びるという説明をしたのには訳がありまして、ふともも筋肉というのは身体で一番大きな筋肉であり、多くの場合はふとももの筋肉に引っ張られる負荷に耐えられずに断裂してしまう場合がほとんどですので、一応、ご紹介しておきました。

アキレス腱断裂の原因

すでにご紹介している通り、これには使い過ぎ劣化による断裂が考えられます。やはりこのを使いすぎるといえば趣味や職業としてスポーツをしている方だと思いますが、一つは十分に準備体操を行わずに激しい運動を開始してしまった場合です。

特に冬場身体が温まるまでに時間がかかりますので、これを怠ると冷え切った負荷に耐えられません。そしてもう一つは酷使です、筋肉はずっと続けて使用していると硬くなる性質を持っており、一日だけの練習であれば問題なくても毎日のように練習を続けると疲労が蓄積され、筋肉硬くなりアキレス腱にかかる負荷が増えてしまうことで断裂を生みます。

ちなみにそれを防ぐためには練習前の柔軟運動と等しく、終わってからのクールダウンをすることが大切です。練習が終わるとすぐに帰りたくなってしまうかもしれませんが、クールダウンを行うことによって筋肉に溜まった疲労物質を流すことができますので次の日に疲労を持ち込まないことができます。

次に老化によるものですが、アキレス腱に限らず、という組織は筋肉や皮膚などと違ってがあまり流れていない組織です。そのため、血液の運ぶ酸素栄養素などが行き渡らず劣化の早い組織なのです。

ですからおよそ25歳を過ぎるとアキレス腱は劣化していきます。人間の身体は使いすぎた筋肉同様、徐々に硬くなっていきますから、劣化したゴムのように硬く切れやすくなっていきます。

冒頭でアキレス腱の断裂には初期症状がみられるという記述をしましたが、例えば古くなったゴムが切れてしまう前に光にかざしてみると細かい部分断裂がみてとれるように、も徐々に細かい傷がついていき、ついには断裂してしまいます。

この部分断裂の段階では痛みが小さいものの、それに気づいて運動を休止し、十分に休息をとれば断裂は避けられますが、先にも登場している通り、血流が悪いので回復に時間がかかり、部分断裂の確信が持てていれば一週間から一か月ほどはお休みするとよいでしょう。

まとめ

今回は非常に有名ケガの一つであるアキレス腱の断裂について記事を書いてまいりました。アキレス腱構造劣化の進捗など少しお分かりいただけたかと思います。

最後にアキレス腱が断裂すると激しい痛みは元より、切れた瞬間にバリッ、プツッなどの破裂音が聞こえます。また完全に断裂していると患部に指をあてて少し押し込むと凹んだままになるという特徴があります。

もしも一緒に運動している方が同様の症状を訴え、患部が凹んだ時はあまり動かさないようにしてすぐに専門家に相談するようにしましょう。