忙しい毎日でストレスがたまりがちな方必見!モーツァルトの音楽を聴いて日々のストレスを解消しよう!

2018年6月16日

最近残業続きで心も体もヘトヘト…
職場の人間関係に疲れる…

 

このように、忙しい毎日の生活で、知らず知らずのうちにストレスが溜まっていませんか?

 

心身にさまざまな悪影響を及ぼすストレスは、自律神経失調症の最大の要因です。
自律神経失調症になると、めまいやたちくらみ、体のだるさなどさまざまな症状を引き起こします。
放っておくと、うつ病になる危険性も…。

 

今回は、それらの原因となるストレスの解消法をみていきましょう。

 

みなさんも「落ち込んだときに音楽を聴いて心が癒された」といった経験はありませんか?
音楽は、ストレスを解消する効果があるのです。

 

どうして音楽にそんな力があるの?
特におすすめの音楽は?

 

など、ストレスと音楽の関係について詳しくご紹介していきます。
日々のストレス対策の参考にしてみてくださいね。

 

ストレス解消のポイント『1/Fゆらぎ』

みなさんは、『1/fゆらぎ』というものをご存知でしょうか?
実は、これがストレス解消のポイントになるのです。

 

『1/fゆらぎ』というのは、その名の通り、ゆらぎのひとつです。
まずは、ゆらぎについてご説明します。

 

ゆらぎというのは、ものの不規則で予測できない動きや変化のことです。

 

自然界には、数多くのゆらぎがあふれています。
太陽や星などもその例です。

 

太陽や星などの天体は、規則正しい軌道運動をしているため、ゆらぎがあるようには思えないという方もいるでしょう。

 

たしかに、天体の動きは一定であるかのように見えます。
しかし、太陽や星の軌道運動でさえ、決して一定ではありません。
少しずつゆらいでいるため、細かいところまで完璧な予測はできないのです。

 

そのようなゆらぎの一種で、あらゆる自然現象の変化の源となるのが『1/fゆらぎ』です。
私たちが心地よいと感じるリズムとして、近年注目を集めています。

 

小川のせせらぎや打ち寄せる波、ろうそくの炎、ホタルノヒカリなど、自然界のあらゆる現象で見ることができます。
そして、自然界の一部である私たちもまた、ゆらぎを持っているのです。

 

心臓の鼓動や呼吸、脳波、目の動きなどもその例です。

 

ゆらぎと日本人の無常観

ゆらぎのように、絶えず変化して、同じ状態にとどまることがないことを仏教用語で「無常」といいます。
これは、長年培われてきた日本人の美意識の特徴ともいうことができ、この仏教的無常観を抜きに日本の文学を語ることはできません。

 

【ゆらぎと日本人の無常観】

1.平家物語

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。
婆羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。

 

【現代語訳】
祇園精舎の鐘の音には、諸行無常の響きがある。
婆羅双樹の花の色は、盛んな者も必ず衰えるという、この世の道理を示している。
おごり高ぶっている人も長くは続かず、まるで覚めやすい春の夜の夢のようだ。
勢いが盛んな者も結局は滅びてしまうというのは、まさに風の前の塵と同じである。
この『平家物語』の冒頭を暗記している方も多いでしょう。

 

インドにあった祇園精舎という寺院は、一度は大いに栄えていたが、今ではすっかりさびれ、鐘の音が鳴り響くのもひたすら寂しいばかり。
釈迦の死を悲しんでか、一夜で白く変わったという、婆羅双樹の花の色からは、どんなに栄えた人も必ず滅びるという心理が感じられる、という意味になっています。

 

『平家物語』では、一度は栄えた平家一門がどのように滅びていったのかが語られます。

 

日本では、権勢の絶頂にいるというのをあまり美しいことだとは思わないのだ。
権力争いの座から外れたり、自ら降りたりして、世を捨てたような人を尊ぶ。
そういう人が、みんなひたすらに出世をしたがって、あくせく働いているが、それは虚しいことなのに、と説くようなエッセイを好む。
敗者の文学、という形になっている方が価値が高いと感じるのだ。

 

(引用:清水義範著『学校では教えてくれない日本文学史』)

 

一時期は「平家にあらずんば人にあらず」といわれるほどに栄えた平家一門は、清盛の死後、順を追って滅亡していきます。
そして、壇ノ浦の合戦で、清盛の孫、安徳天皇は海中に沈み、平家はついに滅ぶのです。

 

この合戦に勝った源義経も、やがて、兄の頼朝と対立し、自害してしまいます。
そのため、優れた軍才を持ちながら非業の死を遂げた義経の生涯は、人々から英雄視され語られるようになりました。

 

ちなみに、この『平家物語』の冒頭には、日本人の勘違いがひとつあります。
実は、寺院に鐘があるのは日本の風習で、祇園精舎があったインドの仏教寺院には鐘はないのです。

 

【ゆらぎと日本人の無常観】

2.方丈記

鴨長明の『方丈記』にも無常観が表現されています。

 

ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。

 

世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。
たましきの都のうちに、棟を並べ、甍を争へる、高き、卑しき人のすまひは、世々を経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。
或は、去年焼けて今年作れり。
或は、大家滅びて小家となる。

 

住む人も、これに同じ。
所もかはらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二三十人が中に、わづかに一人二人なり。
朝に死に、夕に生るるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。

 

知らず、生れ死ぬる人、いづかたより来りて、いづかたへか去る。
また知らず、仮の宿り、誰がためにか心を悩まし、何によりてか、目を喜ばしむる。
その主とすみかと、無常を争ふさま、いはば朝顔の露に異ならず。
或は、露落ちて花残れり。
残るといへども、朝日に枯れぬ。
或は、花はしぼみて露なほ消えず。
消えずといへども、夕べを待つことなし。

 

【現代語訳】
流れ過ぎていく川の流れは絶えることがなく、それでいてもとの水ではない。
流れが滞っているところに浮かぶ水の泡は、一方では消え、一方では生じて、長い間、同じ状態でとどまり続ける例はない。

 

この世に存在する人と住む場所とは、また、このようなものである。
宝石を敷き詰めたように美しい都の中で、棟を並べ、屋根の高さを競っている、身分の高い人や低い者の住まいは、長い年月を経てもなくならないものではあるが、これは本当かと調べると、昔あったままの家というのはめったに
ない。
あるものは、去年焼けて、今年建てた。
あるものは、大きな家が滅んで、小さな家となる。

 

住んでいる人も、これと同じである。
場所は変わらず、人も多いが、昔会った人は、2~30人のうちで、わずかに1人か2人である。
朝に死に、夕方に生まれるという、世の常は、ちょうど水の泡に似ていることよ。

 

私には分からない、生まれたり、死んだりする人は、どこから来て、どこへ去ってゆくか。
また、分からない、仮住まいは、誰のために心を悩まして、何のために目を楽しませるのか。
その主人と家とが、無常を争う様子は、例えるならば、朝顔の花と露との関係と同じである。
あるときは、露が落ちて花が残っている。
残っているとはいっても、朝日を受けて枯れてしまう。
あるときは、花がしぼんでも、露はまだ消えずにいる。
消えないとはいっても夕方まで残っていることはない。

 

この『方丈記』が書かれたのは、天変地異や飢饉、疫病が頻発し、平家が栄華から滅亡へと向かっていった平安末期の混沌とした時代です。
人々の心には、先行きの不安が重くのしかかり、世の中の無常を切に感じていたことでしょう。

 

そのため、『方丈記』の無常観は、同時代の人々に広く受け入れたと考えられています。

 

無常観から生じる心の悩みから逃れるための方法を模索する長明は、50歳で出家し、日野の山奥に一丈四方の狭い庵を結び、隠棲しました。
『方丈記』は、過酷な時代をいかに生きるかという、自伝的な人生論ともされています。
美空ひばりさんの「川の流れのように」では、時の流れを河の流れにたとえていますが、これらの感覚は、鴨長明の『方丈記』の冒頭によって強く印象付けられ、鴨長明が感じた無常観は、現在でも、多くの文学作品に登場します。

 

【ゆらぎと日本人の無常観】

3.西行と桜

また、日本人にとって、このような無常観と切っても切り離せないのが桜です。

 

願はくは
花の下にて
春死なむ

 

その如月の
望月の頃

 

【現代語訳】
願いが叶うならば、桜の花の下で、春に死にたいものだ。
如月の満月の頃に。

 

これを詠んだ西行は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての僧侶であり、歌人です。
また、桜を愛し、桜の歌人としても名を馳せています。

 

これは、散りゆく桜と人生のはかなさをうたったものです。

 

今なお日本人が桜を愛してやまないのは、そこに無常を感じるからだとされています。
日本人の多くは、移ろいゆくものにこそ美を感じる傾向を根強く持っているのです。

 

ちなみに、如月というのは、釈迦が入滅した陰暦2月15日頃を指していますが、実際に願いがかなったのか、西行は、文治6年(1190年)2月16日にこの世を去っています。

 

手軽に『1/Fゆらぎ』の効果を得る方法は音楽を聴くこと

では、『1/fゆらぎ』を日常生活に取り入れるにはどうしたら良いのでしょうか?

 

方法は意外と簡単。
音楽を聴けば良いのです。

 

『1/fゆらぎ』は、人間の心拍や脳波など、生体のリズムと同じだということが分かっています。

 

生体のニューロンという神経細胞は、生体信号として、電気パルスという信号を発射しています。
この発射間隔が『1/fゆらぎ』をしていることから、生体のリズムは基本的に『1/fゆらぎ』をしているといえます。

 

そして、これは、心地良さなどの快適な感覚を与えてくれるのです。

 

その典型例が音楽です。
ほとんどすべての音楽は、振動数のゆらぎが生体リズムのゆらぎと同じになるようにつくられているのです。

 

これは人間だけでなく、他の動物に対しても、同じ効果が期待できます。

 

家畜に音楽を聴かせると良いというのを聞いたことがありませんか?
それは、音楽から『1/fゆらぎ』を受けることで、リラックスすることができるからなのです。

 

(参考:F分の1ゆらぎの謎にせまる 武者利光氏―こだわりアカデミー)

 

ストレス解消にはモーツァルトの作品を

特に、おすすめなのが、『モーツァルトの音楽』です。

古典派音楽の代表であり、ハイドンやベートーヴェンと並んで、ウィーン古典派三大巨匠の一人とされています。

 

モーツァルトは、母親のお腹の中にいたときから、父親のヴァイオリンや母親の歌声を毎日聴いていました。
胎児の最初に作られる器官が耳です。
胎児は、音によって母親や外界とのつながりを持つといわれています。

 

父は、息子が天才であることを見出し、幼い頃から音楽教育を与えました。
モーツァルト親子は、ヨーロッパ各地を演奏旅行しています。

 

モーツァルトは、6歳のときにウィーンを訪れ、神聖ローマ帝国の女帝マリア・テレジアの御前演奏に招かれます。

その演奏の場には、マリー・アントワネットも同席していました。

 

あるとき、モーツァルトが、宮殿内の床で滑って転んでしまったことがありました。
その際、モーツァルトに駆け寄り、助けてくれた同じ年のマリー・アントワネットに「大きくなったら僕がお嫁さんにしてあげる」とプロポーズを申し込んだエピソードも有名ですよね。

 

モーツァルトは、曲を作るときにピアノを使わなかったといわれています。
楽譜に書くのが追いつかないほど、頭の中にメロディが流れていたそうです。

 

また、楽譜に書くときは、妻に世間話をさせ、一緒に会話をしていたというエピソードもあります。

 

モーツァルトの作品のはとんどが長調です。

 

音階には、長調と短調の2種類があります。
これらを聴き比べると、長調は明るく、短調は暗い感じを受けます。

 

当時の音楽家は、自分が作りたい曲を作っていたわけではなく、人から依頼されて、作曲していたことが多かったようです。
音楽にも流行があります。
当時流行っていたのが長調であったため、モーツァルトの作品のほとんどが長調なのです。

 

また、モーツァルトが使っていたピアノの鍵盤は、現在のピアノの鍵盤が沈む深さの半分しか沈まないものだったともいわれています。
そのため、かなり軽快に弾くことができたことも、彼の作る曲の作風に影響を与えたと考えられています。

 

(参考:モーツァルトの生涯―モーツァルトのすべてがわかる)

 

おすすめ!モーツァルトの曲

最後に、モーツァルトの曲の中でも特に有名なものを5つご紹介します。

 

【おすすめ!モーツァルトの曲】

1.アイネ・クライネ・ナハトムジーク

https://www.youtube.com/watch?v=t6W54XR0xKI

『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』は、モーツァルト作品の中でも非常に有名な曲の1つです。
一般的には、恋人や女性を称えるために演奏される楽曲を指す、セレナーデの雰囲気を備えています。
4つの楽章からできたこの作品の1楽章は、任天堂スーパーマリオブラザーズのゲーム開始BGMとして使用されていたこともありました。

 

【おすすめ!モーツァルトの曲】

2.オーボエ協奏曲

数あるオーボエ協奏曲の中でも特に有名です。
オーボエ奏者のプロオーケストラ入団試験の際に必ずといっていいほど演奏させられる定番の楽曲となっています。

 

2006年に放送されたドラマ『のだめカンタービレ』で使われていたことから、知っていた方も多いのではないでしょうか?

 

『のだめカンタービレ』に登場する実力派オーボエ奏者の黒木くんは、実直で義理堅い性格と古風な容貌から、彼の手にかかるとモーツァルトすら「いぶし銀」になってしまいます。
パリに留学し、千秋が指揮者を務めるオーケストラのオーディションを受けた際に、演奏したのもこの曲でした。

 

【おすすめ!モーツァルトの曲】

3.きらきら星変奏曲

正式なタイトルは、『「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」の主題による12の変奏曲』となります。
この「ああ、お母さん、あなたに申しましょう(Ah ! vous dirai-je, Maman)」とは、当時フランスで流行していた恋の歌です。
このメロディが、モーツァルトの死後、童謡『きらきら星』として知られるようになったため、日本では『きらきら星変奏曲』と呼ばれるようになりました。

 

【おすすめ!モーツァルトの曲】

4.トルコ行進曲

トルコ行進曲は、ヨーロッパの作曲家が、オスマン帝国の軍楽隊の音楽に刺激を受けて作曲した行進曲です。
その中でも有名なのが、モーツァルトのピアノソナタ第11番第3楽章です。
モーツァルトのピアノソナタ第11番は、第3楽章が有名な「トルコ行進曲」であるため、「トルコ行進曲付き」と呼ばれることもあります。
また、この楽章だけが単独で演奏される機会も多いです。

 

【おすすめ!モーツァルトの曲】

5.ホルン協奏曲

第1楽章は、人気テレビ番組「いきなり!黄金伝説。」の料理シーンでも使用されているため、知っている方も多いと思います。

 

ホルンは、狩りのときに、獲物を発見したり、獲物を捕らえたりといった信号を後ろにいる仲間に送るため、ベルの部分が横や後ろを向くように作られていた名残から現在の形になったといわれています。
世界一難しい金管楽器として、ギネスブックで紹介されていることも有名ですよね。

 

まとめ

いかがでしたか?
今回は、ストレスと音楽の関係についてみていきました。

 

ストレス解消のポイントとなる『1/fゆらぎ』。
これが多く含まれているのがモーツァルトの音楽なのです。

 

忙しい毎日のちょっとした時間で、今回ご紹介した曲を聴いてみてくださいね。
寝る前に聴くと、リラックス効果も期待できるようです。

 

過度のストレスは、私たちの心身にさまざまな悪影響を及ぼします。
日々のストレス対策の参考になりますように。