コーヒーを飲むと睡眠不足になる?10分で快眠できる「おやすみヨガ」

2018年6月16日

勉強中や仕事中、コーヒーを飲むという方は多いのではないでしょうか?

コーヒーに含まれるカフェインには、眠気を覚まし、疲れを感じにくくする効果があります。

ただし、その覚醒作用には注意が必要です。

 

カフェインは、適量であればさまざまなメリットをもたらします。

しかし、過剰に摂取すると、ちょっとした物音で目が覚めたり、寝返りが多くなったり、睡眠の質の低下につながることもあるのです。

 

今回は、カフェインと睡眠についてみていきましょう。

ぐっすり眠るために効果的なストレッチもご紹介します。

 

カフェインが眠気覚ましに効く理由

私たちに馴染み深いカフェインですが、それがなぜ眠気覚ましに効果があるのか、知っている人は少ないと思います。

 

眠気をもたらすのはアデノシンという物質です。

アデノシンの働きは、脳を強力に覚醒させる神経伝達物質ヒスタミンの放出を抑えること。

アレルギー鼻炎などの治療薬を服用すると眠くなることがありますが、これも脳内のヒスタミンの作用が抑制されるためです。

 

アデノシンは、アデノシンだけが結びつくことのできる特別な場所、アデノシン受容体にくっつくことで作用します。

カフェインの構造は、アデノシンと非常に似ています。

つまり、カフェインは、アデノシンよりも先に受容体と結びつくことで、アデノシンが眠気を引き起こす過程を邪魔しているのです。

 

(参考:第57回 眠気の正体―ナショナルジオグラフィック日本版サイト)

 

コーヒーを飲むことで睡眠不足に…

カフェインを過剰に摂取すると、寝付くまでに時間がかかったり、眠りが浅く、十分に眠った感じがしなかったり、睡眠の質が低下することがあります。

 

2013年、アメリカでは、コーヒーに含まれるカフェインと不眠症に関する実験が行われました。

実験方法はシンプルで、12人の被験者を、寝る直前にコーヒーを飲むグループ、寝る3時間前にコーヒーを飲むグループ、寝る6時間前にコーヒーを飲むグループに分け、睡眠具合を調べるというものです。

その結果、どのグループでも睡眠に何らかの悪影響があり、カフェインの摂取が就寝6時間前であっても睡眠時間が1時間以上短くなることが分かりました。

また、被験者の多くはこの睡眠妨害に気付いておらず、コーヒーを飲むことで無意識のうちに不眠症に陥る危険性も指摘されています。

 

普段からコーヒーを飲む習慣のある人の中には、コーヒーを飲んでも特に睡眠に影響を感じないという人がいるかと思います。

しかし、そのような人でも慢性的な睡眠不足になっている可能性があるのです。

それどころか、コーヒーを飲まないと起きていられないというような依存状態にあるのかもしれません。

 

(参考:Christopher Drake, Timothy Roehrs, John Shambroom, Thomas Roth “Caffeine Effects on Sleep Taken 0, 3, or 6 hours Before Going to Bed”

 

睡眠時間を削るとミスが増える

不眠が体に悪影響を与えることはみなさんご存知かと思います。

しかし、「数時間くらい睡眠が短くなっても問題はないだろう」と考えていませんか?

睡眠時間を短縮した際の影響についての研究が近年盛んに行われています。

 

ある実験では、4つの睡眠時間を設定し、それらを1週間続けたときの作業能力に及ぼす影響を調べました。

作業能力の指標として、視覚刺激が示されてから0.5秒たっても反応できなかった場合を見落とし回数としてカウントしています。

その結果は次の通りです。

9時間睡眠では、見落としはほとんどありません。

しかし、2時間短縮するごとに増え、5時間睡眠での見落とし回数は7時間睡眠の2倍近くです。

また、9時間睡眠の場合が平坦な線グラフになっているのに対し、それ以外は右肩上がりの線グラフになっています。

このことから、睡眠時間を短縮すると作業能力は日々悪化することが分かります。

 

このグラフでは、短縮時間によって低下した作業能力がどのように回復するかについても示されています。

回復日では8時間の睡眠を3日間続けましたが、9時間睡眠とその他の場合を比べると見落とし回数に大きな開きがあります。

つまり、たまってしまった短縮睡眠のツケはなかなか返せないのです。

 

睡眠不足は寿命を縮める

睡眠時間は死亡率にも影響するといわれています。

JACC Studyは、約10年に渡り、日本人の睡眠時間と死亡率の関係を調査しました。

その結果は、次の通りです。

このグラフを見てもわかるように、もっとも死亡率が低いのが7時間睡眠です。

不眠や睡眠不足の悪影響については、これまでにもご説明しましたが、睡眠時間が4時間未満の場合の死亡率は、男性で1.62倍、女性で1.60倍となっています。

だからといって寝れば寝るほど健康に良いというわけではなく、睡眠時間が10時間以上の場合、男性で1.72倍、女性で1.92倍と死亡率が高くなります。

 

睡眠時間が短いと、十分に休養がとれず、体に無理がたまり、結果として高い死亡率が観測されたと考えられています。

しかし、睡眠時間が長いとなぜ死亡率が高まるのかについては明らかになっていません。

 

(参考:睡眠時間と死亡との関係―JACC Study)

 

たった10分で安眠へ「おやすみヨガ」

睡眠不足にいくらデメリットがあるといっても、普段から忙しくて十分な睡眠時間を確保できないという人もいらっしゃいますよね。

睡眠においてもっとも大切なポイントは、朝スッキリと目覚めることができ、ぐっすり眠ったという満足感が得られること。

睡眠時間が短くても、質の良い睡眠をとることで、日中の活動の質も高めることができるのです。

 

睡眠の質を上げるためには、就寝前のストレッチがおすすめです。

このように簡単なストレッチをするだけで、翌朝スッキリと目覚めることができます。

翌日に疲れを持ち越さないために、今日から実践してみてくださいね。

 

まとめ

いかがでしたか?

今回は、カフェインと睡眠についてご紹介しました。

仕事中はコーヒーが手放せないという人もいるかと思いますが、カフェインの過剰摂取は睡眠不足をもたらします。

睡眠不足の影響は、頭がボーっとしたり、集中力が落ちたりするだけではありません。

気分の落ち込みや不安感などメンタル面にも悪影響を及ぼすといわれているのです。

現代人の多くが自覚のない睡眠不足を抱えているともいわれています。

質の良い睡眠をとって、頭と体をしっかりと休ませましょう。