口呼吸は快眠を妨げる!?眠れない日に試してほしい!たった5分で睡眠の質をUPさせる方法

2018年6月16日

なかなか寝つきが悪い…
 
翌朝目覚めがすっきりしない…

 

このような不眠の症状でお困りではありませんか?
良質な睡眠には自律神経のバランスを上手くとることが不可欠です。

 

不眠の改善策として最近注目を集めているのが「片鼻呼吸法」
この方法はリラックスやストレス緩和に効果的で睡眠の質をグンと高めることができるのです。

 

人間は片方の鼻で息をしている!?

多くの方は普段鼻呼吸をしているとき、左右両方の鼻の穴から空気が出入りしていると考えているのではないでしょうか?
これは誤り。
実際は、片方の鼻の穴を交互に使って呼吸しているのです。
このような現象は、「ネーザル・サイクル」と呼ばれています。

 

「ネーザル・サイクル」とは

右の鼻が詰まっていたので左の鼻で呼吸していたのにしばらくしたら左の鼻が詰まり右の鼻で呼吸していた…
このような経験はありませんか?
これもネーザルサイクルのために起こるものです。
ネーザルサイクルとは、自律神経の働きによって左右の鼻粘膜が交代で収縮と膨張を繰り返す生理現象のこと。
交代は無意識で行われ、周期は成人の場合、平均2.6時間とされています。
(出典:Nasal cycle―Wikipedia)
これは、ネーザルサイクルが行われていることを証明するCT画像です。
画像右側の鼻は空気の通り道があるのに対し、左側は閉ざされているのが分かるかと思います。

 

鼻の穴が2つある理由

片方の鼻を交互に使っているのであれば、私たちの鼻の穴はなぜ二つあるのでしょうか?
その理由をYouTubeのサイエンス・チャンネル「SciShow」では次のように説明しています。

一つ目は、湿度と温度を快適に保つため
鼻には肺と外の世界をつなぐ役割があります。
外がどれだけ寒くても、肺には暖かくて湿った空気を入れないといけません。
鼻を通ることで、温め湿らせることができます。

 

二つ目は、複雑なにおいをかぐため

匂いを感じるというのは、空気中の浮遊物質が鼻の中の受容体と結合しているということです。
浮遊物質の中には、受容体に吸着されやすいものと吸着されにくいものがあります。
吸着されやすい匂いは、鼻の入口付近でのみ吸着されてしまい、奥のほうまでは届かないため、吸い込んだ空気の中でより早く流れていかないと嗅ぎ分けにくくなります。
一方で、そこまで吸着されやすくない物質は、ゆっくりした空気の流れでも奥の方まで届きます。
つまり、人間の鼻はそれぞれの穴で空気の流れる速さを変えることで、たくさんの種類の匂いを嗅ぎ分けられるようになっているのです。

 

鼻呼吸を行えるのは人間だけ!?

実は、すべての哺乳類の中で口呼吸ができるのは人間だけというのをご存知でしょうか?
これは、多くの動物の気道と食道が完全に分かれているためです。
そのため呼吸は鼻で行うことしかできず、食べ物は口から入れるしかありません。
猿や犬などの哺乳類であっても口呼吸をすることはでません。
犬や猫が舌を出しながら口でハァハァと息をしている姿を見たことがあるかと思います。
このような呼吸は「浅速呼吸」と呼ばれるものです。
一見すると口呼吸を行っているように見えるかもしれませんが、これは体温調節のために行う呼吸方法であり、人間のように口呼吸できているわけではありません。

 

日本人の7割以上が口呼吸!?

ここまで鼻呼吸に関してのお話をしてきましたが、最近では口呼吸を行っている方が増えてきているようです。
ただし、生まれたばかりの赤ちゃんは鼻呼吸しかできません。
息継ぎをせずに母乳が飲めるのはその証拠です。
ところがおしゃべりを始める頃から口呼吸ができるようになります。
日本人に口呼吸をする人が多い理由として、離乳が早いということが挙げられます。
母乳やミルクを飲んでいる間は鼻で呼吸をする必要がありますが、離乳が早すぎると、口で呼吸をすることが習慣化してしまうケースが多くなるのです。
日本人は世界的にみても口呼吸を行っている人の割合が高く、70~80%のもの人が口呼吸であるという報告もあるほどです。

 

口呼吸のデメリット

それだけ多くの方が行う口呼吸ですが、実はさまざまなデメリットが指摘されています。

 

・風邪をひきやすくなる
・口の中が乾きやすく、口臭の原因になる
・虫歯になりやすい
・睡眠の質を下げる
・歯並びが悪くなる
・顔がゆがむ

 

口呼吸を中心として呼吸をしていると、睡眠中、顎や口の位置が定まらず、常に口を開けているため、口の周辺の筋肉が緩み、舌が気道を塞いでしまう恐れがあります。
それらの理由で、気道の確保ができにくいために、「睡眠時無呼吸症候群」になる可能性も高くなってしまうのです。
この病気になってしまった場合、無呼吸の影響から夜中に何度も起きてしまうため十分な休養がとれず、昼間に眠気が現れるなどの症状が出てきます。
しかし、睡眠時無呼吸症候群が近年注目されている理由はそれだけではありません。
実は、この病気を放っておくと、脳血管障害や高血圧、心不全などの重大な病気のリスクが高くなる可能性があるのです。

 

また、口呼吸の慢性化によって起こる症状として「アデノイド顔貌」が挙げられます。
これは鼻の奥にあるアデノイドと呼ばれる組織の肥大化などが原因で、体の成長とともに顔つきが変わり、あごがないかのように見える独特な顔つきです。

 

睡眠の質を高める「片鼻呼吸法」

このようにさまざまなデメリットのある口呼吸。
みなさんは無意識のうちに口で呼吸をしていませんか?
私たちの呼吸器は鼻です。
鼻の機能は超高性能で、砂漠のような乾燥した場所の空気を吸っても、温度37℃湿度100%になるように鼻腔などの粘膜から水分を蒸発させ調整しています。
今回ご紹介する「片鼻呼吸法」は、意図的に左右の鼻を交互に使いながら息を吸ったり吐いたりする呼吸法です。
自律神経を整える働きがあるので、寝る前に行うのが効果的です。

 

①姿勢を正し、両方の鼻で深呼吸を3回行う。
②口を閉じたまま、片手で左の鼻を押さえる。
③右の鼻で4秒かけて吸った後、4秒かけて吐く。
④逆も同様に。
⑤左右交互に20回程度繰り返す。

 

この呼吸法はリラックスできるだけでなく、頭がスッキリしたり、顔の血流が良くなったりといった効果も期待できるようです。
やる気が出ない、眠気がある、頭がぼーっとするといったときはぜひ試してみてくださいね。

 

まとめ

いかがでしたか?
良質な睡眠を得るためにはリラックスしている状態を作り出すことが必要不可欠です。
今回ご紹介した片鼻呼吸法なら手軽に心身を休めることができます。
簡単な方法ですので、一度試してみてはいかがでしょう。