自律神経の乱れには「白湯(さゆ)」が効果的!?白湯に秘められた驚きのパワー

2018年6月16日

「白湯」は体に良いと聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
今、起床後や食事前の白湯を習慣にしている女性が増えています。
ダイエットに良い、便秘に効くなど、さまざまな効果がうたわれていますが、実は自律神経のバランスを整える効果もあるといわれているのです。
今回は、白湯が持つ驚きのパワーと健康・美容に良いとされる理由を解説します。

 

インド発祥!白湯は「魔法の飲みもの」

白湯を飲む習慣は日本でも古くからあったようですが、そのルーツはインドの「アーユルヴェーダ」だといわれています。
アーユルヴェーダとは、アーユス(Ayus/生命)とヴェーダ(Veda/知識)を組み合わせた生命科学という意味で、5000年以上の歴史を持つ伝統医療です。
医学だけでなく、生活の知恵や哲学の概念も含んでおり、病気の治療と予防だけでなく、より善い人生を目指す目的もあります。

 

アーユルヴェーダでは、「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」という3つの要素が私たちの心身の健康を支配していると考えています。

 

白湯は、この3つのバランスを整えるとされているのです。

 

【作り方】

①水を入れたやかんを強火にかけて、沸騰するまで待つ。
②沸騰したらふたを取り、弱火で沸騰を続ける。
③10分ほどしたら完成。

 

白湯の効果を高めるためには、15分ほど沸騰させ続けたものが良いとされています。
また、実際に火にかけることがポイントです。

 

電気ケトルや電子レンジなどで温めただけのお湯はおすすめできません。

 

これは、水はそのままだと「カパ」の性質が強いですが、火にかけることで「ピッタ」の要素が、沸騰させ続けることで「ヴァータ」の要素が取り込まれ、3つのバランスが整うと考えられているためです。

 

白湯に秘められた驚きの効果

白湯を飲むと体を温めることができますが、それが健康や美容に大きな意味を持っています。

1.冷え性改善

2.胃腸機能向上

3.免疫力向上

4.認知症予防

5.ダイエット効果


 

【白湯の効果】

1.冷え性改善

体の冷えを感じている女性は多いですが、実は自覚のない「隠れ冷え性」の男性も多いのです。もともと日本人は、外国人よりも体が冷えやすいという特徴を持っているといわれています。

そこに冷たいものを食べたり、飲んだりすると、冷えは慢性的なものになります。

体の冷えは、食欲不振や便秘といった不調を引き起こします。
これは、胃腸が冷え、代謝が進まないため、未消化物が溜まってしまうことが原因です。

 

白湯を飲むと、胃腸を直接温めることができます。
それによって、血管がゆっくりと広がり、血流が促進。
体の末端まで血液がくまなく行きわたり、手足の冷え改善にも期待できます。
胃腸から全身を温めることで、あらゆる機能が活発になり、病気や不調を防ぐことができるのです。

 

【白湯の効果】

2.胃腸機能向上

白湯には高いデトックス効果があり、老廃物の解消に役立ちます。
白湯が内臓を温めることで消化器官の働きが活発になり、消化を促進します。
それによって新陳代謝が高まり、老廃物が押し出されるのです。
胃腸の働きが促されることで、消化酵素の分泌も促進し、働きを高めます。

 

飲むタイミングとしておすすめなのが起床後。
白湯は吸収が良く、体内の循環を活性化させるため、寝起きのむくみや冷えに効果的です。
朝は消化の時間ともいわれており、体にたまった未消化物を排出する時間です。
また、体内に蓄積された老輩物を排出せる働きもあるので、便秘解消やむくみの改善にも効果的で、肌荒れの予防・改善も期待できます。

 

【白湯の効果】

3.免疫力向上

体温が1℃下がると、免疫力は30%も下がります。
普段から体温が低い冷え性の人は、免疫力が低くなっているともいえます。
逆に、体温が1℃上がった場合、免疫力は5~6倍も跳ね上がるといわれているのです。
白湯を飲むことで、内臓をダイレクトに温めることができ、体温も上昇するので、免疫細胞が活躍しやすい環境に。
また、白湯によってデトックス効果も高まるため、菌やウィルスを退治し、風邪などにかかりにくくなります。

 

【白湯の効果】

4.認知症予防

お年寄りでも飲みやすい白湯は、体はもちろん、脳内の脱水防止にも役立ち、情報伝達の働きをスムーズにしてくれます。
もの忘れは老化のせいだと思っている方が多いかもしれませんが、実は神経系統にきちんと栄養が届いていないことが原因です。
これは、消化力が弱り、体内に未消化物がたまっているために、代謝が滞っているために起こります。
白湯を飲むことで代謝がスムーズに行われると、物忘れは自然と減っていきます。
また、白湯には脳血管に詰まった未消化物を浄化する効果もあるため、脳血管性認知症やアルツハイマー病の予防にもなるといわれています。

 

【白湯の効果】

5.ダイエット効果

白湯にはダイエット効果があり、宇多田ヒカルさんなどの多くの芸能人が挑戦しているとして有名になりました。
実際に白湯ダイエットで成功したという口コミも多くあります。
白湯がダイエットに効果的だとされているのには次の3つの理由があります。

 

 

①代謝アップ

1日に消費されるエネルギーのうち60~70%は基礎代謝によるものです。
基礎代謝量とは、人間の基礎的な新陳代謝の量のことです。
人間は、生きるために心拍、呼吸、体温の維持などを24時間行っています。
この生命維持のために消費される必要最低限のエネルギーが基礎代謝量です。
18歳から29歳の平均的な基礎代謝量は、男性の場合1520kcal、女性の場合1180kcalとなっています。

 

白湯を飲んで体温を上げると基礎代謝もアップするため、消費カロリーが増えてダイエットへの効果が期待できます。
例えば、体温が1℃上がると基礎代謝は約13%アップし、これだけで580kcalを消費できます。
これは、体重45kgの女性なら約80分のランニングに相当します。

 

②便秘解消

白湯によって胃腸の機能が向上するため、便秘の改善にも効果的です。
便秘解消によってストンと体重が落ちたり、お腹周りがスッキリしたりとダイエットにつながります。

 

また、美肌にも効果が期待できます。
便秘が慢性化すると、腸内には常に便がとどまっている状態となります。
長期的に便が体内に残り続けると、便の腐敗や発酵が進み、善玉菌が減少し、悪玉菌の勢力が強くなってしまうため、有害物質やガスが発生しやすくなります。
有害物質が増えてくると、体をそれを排出しようとしますが、便が詰まっているため出口は塞がれているので、有害物質は腸壁から吸収され、血液中に溶けだして全身へ巡ることとなるのです。
体中へ行きわたった有害物質は、汗や皮脂などから体の外へ放出されます。
肌細胞にはもともと肌にたまった汚れや余分な水分を排出する機能がありますが、有害物質の排出に手間を取られると、通常の肌細胞の働きだけでは肌の新陳代謝が追いつきません。
そのため、汚れを取り除くことができず、肌の状態が悪くなり、肌荒れに繋がってしまうのです。

 

③むくみ解消

夕方になると足がむくみだるくなったり、痛くなったりする症状も体にたまった未消化物が原因です。
食べた者は本来、栄養素となって体に行きわたらないといけません。
しかし、血液中に未消化物として残ってしまうと、重く沈んで下半身にたまります。
夕方にかけて足がむくみやすいのはそのためです。

 

むくみの症状が慢性化すると、体全体の疲れにもつながります。
白湯を飲み、血液中の未消化物が浄化され、血液がスムーズに流れると、むくみは自然と取れていきます。
むくみが解消すると、見た目がスッキリします。

 

とはいっても、白湯だけでは大幅な体重減少は起こりません。

食事内容を見直したり、適度な運動を取り入れたりすることも大切です。

 

(参考:医師が提言「体調を整えるならコーヒー・お茶より白湯(さゆ)を」冷え性改善、ダイエット効果もーBEST TIMES)

 

白湯は自律神経のバランスを整える!?

白湯は、自律神経のバランスを整えるのにも効果的だといわれています。

 

もうひとつ注目したい白湯の大きな効能は、「バランスを整える」作用です。
白湯は、自律神経やホルモンのバランスをはじめ、からだのあらゆるバランスを整えてくれる飲みものです。
わたしたち人間を含むすべての生物は、ホメオスタシス(=恒常性)といって、整体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず、整体をある一定の状態に保とうとする性質があります。
こう説明するとむずかしそうですが、私たちはその性質を日常的に体験しています。
たとえば食事をしたあとは血糖値が上がりますが、おのずとインシュリンが膵臓から分泌されて収まります。
わたしたちの意志とはかかわりなく、からだには理想的な状態に戻そうとする自動調整能力(=自然治癒力)があるからです。
この自動調整プログラムは、生命の維持のためになくてはならないものですし、生きていれば当りまえのように感じることですが、じつは生命科学でもまだ解明できていない、とても神秘的なプロセスです。
ただはっきりしているのは、この自然治癒力を高めるのに白湯が効果を発揮するということ。
もちろんお茶にもよい成分が含まれていて、交感神経の働きを上げるなどといったある特定の効果はありますが、いいかえれば、成分の特質に
偏った効果しかありません。
白湯の効能には、そうした偏りがないのです。

 

(引用:蓮村誠『病気にならない「白湯」健康法』)

 

本来、人間の体は体のバランスを保とうとする機能が備わっています。
そのため、自律神経のバランスが崩れても、なんとか元に戻そうとします。
しかし、この自然治癒力が弱っていると、体を理想的な状態に保つことができなくなり、自律神経失調症などになってしまうことも…。
白湯は、自然治癒力を高めると考えられているのです。
自律神経のバランスが崩れ、肩こりや疲労感、頭痛、冷えなどに悩まされている人は、一度試してみてはいかがでしょうか?

 

まとめ

今回は白湯に秘められた驚きの効果についてご紹介しました。
特別な道具のいらない手軽な健康法として、白湯を毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?
ただし、多く飲めば多く飲むほど効果が出るというわけではありません。
大量に飲むと必要な栄養素まで流してしまう可能性があるため、1日800㎖を目安にしてください。
正しい方法で体の中からきれいにしていきましょう。