スマホの使い過ぎで自律神経失調症に!?日本人の新しい国民病「スマホ首」とは

2018年6月16日

みなさんは「スマホ首」という言葉をご存知ですか?
実は、日本人の新しい国民病として注目されているのです。

 

スマホ首というのは、スマホを長時間使用することによって、首に凝りが生じている状態です。
首の筋肉が硬くなると、肩こりや頭痛、めまいなどの症状が表れます。
また、重症の場合には、自律神経失調症が引き起こされることも…。

 

3倍もの負担がかかる「スマホ首」

スマホやパソコンなどの使用で、長時間うつむき姿勢を続けると、頭の重みを首だけで支えることになります。
実はこのとき、立っているときの3倍もの負担が首の後ろの筋肉にかかっているのです。

 

スマホ首を放置しておくと、「ストレートネック」が引き起こされることもあります。

 

 

通常、健康な人の首は、30度から40度の自然なカーブを描いています。
一方で、ストレートネックの場合、頸椎の緩やかなカーブが失われ、首がまっすぐに伸びているのが分かります。

 

ストレートネックになると、頭を支えるクッション機能が低下するため、筋肉への負担が増え、首の凝りに繋がります。
また、首には多くの神経が通っています。
スマホ首やストレートネックの状態では、頭の重みでそれらの神経が圧迫されるため、肩こりや頭痛、めまい、手や腕のしびれなどが引き起こされるのです。

 

スマホ首は自律神経のバランスを崩す

 
また、スマホ首は自律神経に悪影響を及ぼすこともあります。

 

自律神経とは、循環器、消化器、呼吸器など、生命の維持にかかわるあらゆる器官の活動を調整するための神経です。
この神経は自分の意志とは関係なく、無意識に働いています。
起きているときも寝ているときも、私たちの身体が正常に動いているのはこの神経のおかげなのです。
自律神経には、体の活動時や昼間に活発になる交感神経と安静時や夜に活発になる副交感神経があります。
交感神経と副交感神経は、シーソーのように切り替わることで機能を果たしており、この2つのバランスが崩れると、体に様々な不調が表れるようになるのです。

 

首は自律神経が密集している場所でもあります。
スマホなどで長時間うつむき姿勢を続け、首の筋肉が硬くなると、副交感神経の働きが阻害され、自律神経のバランスが崩れ、自律神経失調症を引き起こしてしまいます。
また、首の凝りや首の骨の歪みは脳への血流を低下させ、自律神経の中枢である脳幹・間脳の機能低下を引き起こします。
そのため、交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズに行えず、立ちくらみや冷え、ほてりといった症状が表れるのです。

 

自律神経失調症の症状と特徴

自律神経失調症の症状は実にさまざまです。

 

・よくめまいや耳鳴り、立ちくらみが起きる
・急に息苦しくなることがある
・心臓がいきなりバクバクしたり、脈拍が飛んだりすることがある
・体がだるい
・太陽や蛍光灯などの光がやけにまぶしく感じる
・顔や手足に異常に汗をかく
・ろれつが回らない
・便秘と下痢を繰り返している
・十分に寝ているのに、日中、強い睡魔に襲われる
・怖い夢をみる
・感情の起伏が激しい
・風邪をひいているわけでもないのに、せきがとまらない
・やる気が出ない
・手足にしびれを感じる
・残尿感がある

 

このように身体的にも精神的にもたくさんの症状があるのです。

 

自律神経失調症の場合、1つの症状が表れるのではなく、いくつかの症状が同時に表れることがあります。
また、「最初はめまいや立ちくらみで悩んでいたのに、次は頭痛が…」というように、ずっと同じ症状が続くのではなく、症状が次々に変わっていくことも特徴のひとつです。
腰痛や腱鞘炎、膝の痛みなど、一見すると自律神経とは関係の内容に思える症状も、自律神経のバランスが崩れることで引き起こされることがあり、これらの症状が慢性化してしまうこともあります。
天候や精神状態によって症状が悪化しやすく、病院で検査を受けても異常なしと診断されることも少なくありません。

 

1日3回!スマホ首改善ストレッチ

「スマホ首」の名付け親である整体師の鄭信義(チョンシニ)さんは、スマホ首の解消に欠かせない筋肉として「胸鎖乳突筋」を挙げています。

 

 

胸鎖乳突筋は、首を上下左右に動かしたり、呼吸を補助したりする働きも持つ筋肉です。
ただし、胸鎖乳突筋はデリケートな部位にあり、直接もむというのは簡単なことではありません。

 

そこで、スマホ首改善のために考案したのが次のストレッチです。
胸鎖乳突筋に直接触れずに、スマホ首を改善することができます。

 

 

①右腕を下ろした状態で、脇の下に左手を入れ、親指と四指で脇をはさむように、しっかりとつかむ。

②脇をつかんだまま、右腕を手のひらを下に向けたまま、床と平行になるまで上げる。

③少し上を向き、左耳を左肩に近づけ、あごを斜め上に上げる。

④右首の前側が引っ張られるのを感じたら15秒キープ。

⑤反対側も同様に行う。

 

(出典引用:【怖〜い”鶏首”解消法】スマホ使用者必見! 歪みきった首を正すストレッチ―美容雑誌『VICE』公式サイト)

 

これを1日3回を目安に行いましょう。
脇をつかむことで、大胸筋が固定され、効率良く胸鎖乳突筋をほぐすことができます。
反動をつけて行うのではなく、ゆっくりとじんわり筋肉を伸ばすイメージで行ってください。
このストレッチは、縮んだ筋肉だけでなく、肩周りの筋肉をしっかり伸ばすことができるのでおすすめです。

 

仕事の合間にできる!スマホ首解消法

 

①椅子に座り、背筋を伸ばします。

顔の正面にある何か一点を見つめましょう。

②正面の一点に視線を向けたまま、頭を片側にねじります。

③ひと呼吸置いてから、頭を正面に戻し、今度は逆側にねじります。

5回繰り返しましょう。

④肩の力を抜きリラックスします。

首を長く伸ばして、息を吐きながらあごを前に突き出します。

⑤ゆっくりとあごを後ろに引いていきます。

この動作を3回繰り返して、元の位置に戻します。

⑥息を吸いながら首を長く伸ばして、あごを天井に突き上げます。

⑦ゆっくりと元の位置に戻し、同じ動作を3回繰り返します。

⑧首伸ばしが終わったら、息を吐きながら肩に付けるようなイメージで頭を左右に倒します。

3回繰り返しましょう。

 

このストレッチは、オフィスでも実践することができます。
休憩のときなどに行ってみてくださいね。

 

まとめ

いかがでしたか?
今回は、スマホ首と自律神経の関係についてご紹介しました。
スマホ首は放置しておくと、心身共にさまざまな症状を引き起こす可能性があるのです。
早め早めに対策を行っていくことが大切です。
今回ご紹介したストレッチはオフィスでも手軽に行うことができます。
仕事の合間など、息抜きもかねて行ってみくださいね。