悪い姿勢は筋膜のねじれに繋がる!?正しい姿勢を身に付けるには!!
人体には普段聞きなれないような組織がたくさん存在しています。例えば鵞足(がそく;ひざ周りの靭帯構造)、胸郭(きょうかく:胸周り)、坐骨神経(ざこつしんけい:下半身を動かす神経)などなどです。
そして今回ご紹介する「筋膜(きんまく)」もその一つです。詳しくは後述しますが、筋膜とは全身にある筋肉の一つ一つの繊維を覆っている膜で、身体の骨格はこの筋膜によって保たれているといわれています。
昨今、パソコンやスマホなど電子機器の普及によってこの筋膜がねじれ、肩こりを始めとする様々な不調を訴える方が増えてきました。それでは筋膜のねじれについて詳しく確認してまいりましょう。
筋膜のねじれとは?
冒頭でも少し触れましたが、筋膜とは全身に存在する筋肉を覆っている膜の事です。筋肉は一塊のお肉で出来てはいません。筋繊維と呼ばれる一本一本の繊維が集まるようにして出来ています。
そしてその繊維が伸縮することで私たちは重たい荷物をもったり、物を押したりなどチカラを発揮することが出来るのです。
さらにその筋繊維の一本一本を覆っているのが筋膜です。小学生の頃、理科室でみたり、あるいはテレビでも登場する時がありますが、人体は一皮むいてしまえば全身を筋肉が覆っています。
その為、この筋膜のねじれや硬直がどこかの個所で起きれば凝りや痛みが発生してしまうのです。マッサージや整体などを受けてもなかなか凝りや痛みが改善しない場合は、凝っている箇所ではなく、この筋膜が原因となって発生している凝りや痛みの場合があるのです。
筋膜のねじれが発生する理由は?
冒頭でも触れましたが筋膜のよじれが発生する原因は例えば、悪い姿勢を常に取っていたためにその姿勢のまま固まってしまう、常に片方の肩で荷物を持つ癖がある、特定の個所に負荷をかけている。など生活習慣にかかわる悪姿勢が原因と考えられています。
筋膜のねじれだけではありませんが、悪い姿勢が良くないと言われる理由は身体のどこかに負荷をかけてしまう事にあります。人間の頭部はおよそ身体の10分の1の重さがあるといわれており、体重50キロの人の頭部はおよそ5キロあります。
その重たい頭部は細い首で支えられ、その首を肩や肩甲骨近辺の筋肉が支えているのです。そして正しい姿勢がとれていれば首は骨同士の間にある椎間板(クッション)が支え、身体への負荷はS字カーブになっている背骨がその重力を吸収・分散してくれます。
けれど悪い姿勢を取っていると重力は上手く分散されず、肩こりや首の疲れ、肩甲骨の痛みとなって現れるようになるのです。つまりそういった重さが筋膜にもかかり、ねじれを発生させるというわけです。
筋膜のねじれを解消するには?
筋膜のねじれによって痛みやコリが発生している場合、痛みの原因はその箇所にないことが多いです。ですから肩が凝るからといって肩を中心にマッサージしても効果が薄く、どちらかといえば患部を中心に周りの筋肉を解きほぐしていくようなマッサージが効果的です。
以下に家庭でも出来る筋膜を伸ばしていく体操をご紹介しようと思いますが、ここで意識していただきたいのは先の通り、まるでくしゃくしゃになってしまったアルミホイルを伸ばしていくように上下左右に身体が広がるように意識して体操することです。
それではご紹介します。
まず初めに、まっすぐ立ってみてください。早速寄り道してしまいますが、筋膜のねじれは日常生活の悪姿勢が原因と申し上げた通り、この運動でねじれを解消しても立ち・座り姿勢が正しくないとすぐに再発してしまうので、正しい立ち姿勢とはなにか?をご紹介します。
壁に背中を付けて、ご自身の思うまっすぐな姿勢をとってみてください。この時、頭、肩、腰、かかとの四点がつく姿勢が正しくまっすぐな姿勢です。普段から悪姿勢をとってしまっている方にとっては多少きついかもしれませんが、慣れるつもりで意識的に正しい姿勢の練習をしましょう。
脱線してしましたが、それではまっすぐに立ってみてください。
次に右腕の内側を後頭部につけ、左手の甲を腰につけてみてください。その時、両腕は直角になるように意識しましょう。
次に右足を左足の前に出し、脚がクロスするように左足の外側に右足を置き、顔は左肩につくように下を見ます。この状態を20秒キープしましょう。今度は左右反転してやはり20秒キープします。
これを毎日3セット、お風呂上りや仕事・家事の合間などに取り入れることでねじれは解消していきます。
まとめ
今回は普段聞きなれない筋膜という組織のねじれが筋肉の凝りや痛みを引き起こす、という事について記事を書いてまいりました。
肩こりや腰痛などはその多くが原因不明で起こっています。詳しく言えば、その痛みが出ている理由となる原因が多すぎて特定ができないのです。しかし、当然ながら身体のプロフェッショナルである私たちは皆さまよりもたくさんの病状を知っており、原因を見つける可能性も高いです。
もしも、民間療法でどうしても治らない身体の不調があればお気軽にご相談ください。
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