ドーパミンの減少は、身体や精神にまで影響する!?パーキンソン病!!
世の中には、突然発症する病もあれば、徐々に身体を蝕んでいく進行性の病というものも存在します。今回はそんな進行性の病の中でも比較的有名なパーキンソン病について、記事を書いてまいります。
病気の病名というのは映画に取り上げられたり、有名人が発症することで知名度があがるものですが、映画バックトゥザフューチャーで主人公のマーティー役を演じたマイケル・J・フォックスも若年性パーキンソン病を患っているお一人で、氏の著書を読んだ方も多いのではないでしょうか。
それではパーキンソン病とはどのような病気なのか一緒に確認してまいりましょう。
パーキンソン病とは?
パーキンソン病とは脳内の神経伝達物質であるドーパミンが減少することで運動障害により、身体に不自由が出たり、あるいは自律神経の失調、睡眠障害など非運動障害を引き起こす病です。
ドーパミンという名前をご存知の方は多いと思いますが、この物質にどんな働きがあるのか、ご存知の方は少ないと思いますので簡潔にご説明します。
ドーパミンはハッピーホルモンとも呼ばれ、この物質がたくさん分泌されると脳は、多幸感、つまり幸せな気分を感じます。さらにその多幸感は海馬という脳の記憶領域に記憶され、人間はまたあの幸せな気持ちを感じたい!という意欲が出て、同じ体験を求めるようになります。
さて、ではこのドーパミンがなぜ減少し、なぜ運動障害や、非運動障害が起こるのか。という問題ですが、これには脳の働きが関係しています。ドーパミンはハッピーホルモンとお伝えしましたが、それだけでなく、先ほども登場している神経伝達物質の一つでもあるのです。
その伝達物質が減少すると脳は身体に上手く指令を出すことが出来なくなってしまいます、そしてそれに関係するのが脳の一番深くに存在する大脳基底核(だいのうきていかく)と呼ばれる場所です。
ここでは思考,判断,記憶など人間が行う、理性的な意思決定を司っています。また大脳基底核の一部、線条体(せんじょうたい)では運動、姿勢、筋肉など自分で制御する運動を司っていると言われています。
この箇所が機能しなくなることで、先ほども挙げたような様々な機能障害を引き起こすのがパーキンソン病というわけです。
パーキンソン病の症状は?
パーキンソン病の症状は個人により様々です。冒頭でも触れたマイケル・J・フォックスさんの場合は、初めに手の小指が自分の意志とは関係なく動くようになり、その後、徐々に半身から全身が上手く動かなくなった。という風に著書では書いています。
また一般的な運動障害としては震え、動きが緩慢になる(ゆっくりになる)、筋肉のこわばり、反射が鈍くなるといった事があげられます。
ほかにも足が上手く上げられなかったり、歩くときに手が振れない、歩きだすまでに時間がかかるといった症状が現れる方もいらっしゃいますし、あるいは食事が上手く飲み込めなかったり、表情が上手く出せなくなったり、ろれつが回らなくなったりする場合もあり、本当に症状は千差万別といえます。
もう一方の非運動障害では自律神経の失調、精神障害、感覚障害、睡眠障害などが現れます。漢字から推察できると思いますが、自律神経の失調では便秘や立ち眩み、血圧の低下、などが現れますし、精神障害では漠然とした不安感を覚えたり、感覚障害では味覚、嗅覚、触覚に影響が現れます。
パーキンソン病の改善のためには?
パーキンソン病はその原因が全て解明されているわけではないので、現状で考えられる方法はドーパミンの分泌量を増やす行動をとる事で症状が緩和する可能性があります。
例えば運動。おすすめはジョギングなどの散歩です、なぜならジョギングは誰にでも始められることはもとより、身体への負担も少ないですし、ドーパミンがたくさん分泌される運動として有名です。
また、よりドーパミンを出す方法は運動する前に目標を設定することです。漫然と運動しているよりも今日はここまで歩けた、明日はここまで歩きたい、あるいは同じ距離でも少し重りを付けて歩くなど、日々の目標を設定するとその目標が達成できた快感がドーパミンを分泌させ、さらに次に頑張る意欲を生み出します。
さらにいえば、運動だけでなく日々の生活でも目標を設定してあげるとより効果的です。例えば、朝の七時までに起床する、家事を一つやってみる、お買い物に出かけて洋服を買ってみる、などとても些細なことでも結構ですから、小さな成功体験を積み重ねることが大切です。
まとめ
今回はドーパミンの減少によって身体や精神に様々な障害を引き起こすパーキンソン病について確認してまいりました。
文中でも触れましたが当たり前にやれていたことが出来なくなってしまうことはとてもつらいことです。特にパーキンソン病は進行性の病なので徐々に出来なくなっていく恐怖や不安がいつもついて回ります。
しかし、ネガティブな発想からはネガティブな結果しか生み出されません。もしも気持ちを切り替えたり、誰かとの会話、あるいはマッサージでリラックスしたい時はお気軽に当院までご相談ください。
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