不足しがちな鉄分は積極的に摂取が必要!?鉄欠乏性貧血!

人間の身体というのは非常によく出来ています。肩関節や股関節などは柔軟でありながらなかなか破壊されないように骨だけでなく筋肉やスジで覆うことによってスムーズな動きが可能でありながら脆くはありません。

あるいは自律神経の一つである交感神経の働きによって日中は活発に活動できる反面、夜になれば副交感神経が働き、身体をリラックスさせ日中の疲れを取るために自然に眠くなることができます。

しかし、大変よく出来ているからこそ、少し神経が混乱したり、ストレスによって疲弊したり、普段の偏った食生活不規則な生活をすることで引き起こされてしまう疾患もたくさんあります。

今回は、そんな身体の中でも血流にのって体中に栄養を届けるのに欠かせないヘモグロビンを作り出す「鉄」が不足することで起こる貧血、鉄欠乏性貧血について記事を書いてまいります。

鉄欠乏性貧血とは?

人間の身体には鉄分が大切。という話はよくよく聞いた事があるかと思いますが、鉄分が不足すると身体にどのようなことが起こるのか?ということをしっかりと理解されている方は少ないかもしれません。

後述しますが、鉄分は身体にとって大切なものなので、普段、食品から摂取する量を一日で全て使ってしまう事はなく、その多くは肝臓脾臓などの内臓に蓄えられています。しかし全く摂取せず、内臓に蓄えられていた鉄分が減ると、身体には様々な不調が現れます。

貧血が進んでいくと、まずはいわゆる病気がちな見た目になります、皮膚が青白くなったり、顔色が悪く、口の中やまぶたの裏側が白くなったりなどです。

他にもやる気が起きない根気がなくなる、集中力が続かない、など活力が失われたり、身体がだるい、すぐに疲れる寒さを感じる、頭痛めまい息切れ動悸耳鳴り下肢のむくみ、食欲低下など身体的な症状が現れるようになります。

しかし、これからの症状は貧血以外でも現れることはありますし、鉄欠乏性貧血は少しずつ進行していく不調なので気づかずに放置してしまう方も多くいらっしゃいます。例えば同じような症状を引き起こす疾患として心身症を挙げることが出来ます。

心身症というのはストレスに端を発する不調の総称なのですが、鉄欠乏性貧血の進行が目に見えないようにストレスも目で見ることはできません。またキチンとした食生活ができない環境はストレスにさらされている可能性が高く、それらも相まって発見が遅れてしまうことが多いのだと思います。

なぜ身体には鉄分が必要なのか?

それでは身体の中で使われている鉄分について解説していきたいと思います。鉄分は身体に酸素栄養分を運ぶヘモグロビンを作り出すのに欠かせないものです。また酸素を届けるだけでなく、二酸化炭素を吸収して体外に排出するのもヘモグロビンの役目ですから、この働きが緩慢になることで先ほどのような症状を引き起こすわけです。

またこの鉄分ですが、男性に比べると女性の方が圧倒的に不足する栄養素です、特に妊娠~出産・育児をしている時には積極的摂取する必要があります。女性は普段から血液を失う機会がある事はご存知と思いますが、妊娠中は胎児を育てるのに使用されますし、出産してからは授乳によって鉄分が不足していきます。

また出産後の女性が生み出す母乳血液が変化したものですから、これを出し続けていれば血中の鉄分が失われていくのは当然と言えます。赤ちゃんのことを乳飲み子(ちのみご)と呼ぶのもそのためです。

ちなみに先ほども少し登場しましたが、健康な成人の場合、男性で約3グラム、女性は2グラムの鉄分が身体にはありますが、そのうちヘモグロビンを生成するのに使用されているのは60%ほどだといわれています。残りは肝臓脾臓に貯蔵され、緊急時にはこちらから鉄分を補います。

まとめ・積極的に摂取したい食品

今回は身体にとって大切な「鉄」が失われてしまう事で様々な症状を引き起こす鉄欠乏性貧血について記事を書いてまいりました。冒頭でも触れていますが、私たちの身体はとてもよく出来ている反面、少しでも栄養分が足りなくなると色々な不調が出てきます。

それでは最後に鉄分が多く含まれている食品をご紹介しますが、鉄分を効率的に摂取したい場合、鉄分だけでなくビタミンCタンパク質も一緒に取ると、吸収率が良くなることを覚えておいてください。

野菜で言えばジャガイモホウレンソウが多く鉄分を含んでいることは有名かと思います。その他、食品で言えば煮干し、カツオ、赤身、納豆、あるいは牡蠣レバーなどにも多く含まれているので普段から意識して摂取するようにしましょう。

またビタミンCが多く含まれているのは、ブロッコリー・キャベツ・モロヘイヤ・フルーツ、他にも珍しいところではベーコンなどにも多く含まれています。しかしビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いので出来れば新鮮なうちに生で摂取できるといいですね。