尿酸はどう溜まる！？痛風の原因とプロセス！！

2019年9月30日

日常生活を営んでいるとひょんな原因から歩けないほどの痛みが発生することがあります。例えば高齢の女性に多い関節リウマチ、これは自己免疫疾患といって普段、私たちの身体を守ってくれる免疫細胞が混乱を来し、健康な細胞を攻撃してしまう疾患です。

あるいは運動不足によって起きるギックリ腰などもその一つですね。ギックリ腰の主な原因は疲労して凝り固まった筋肉が断裂したり、炎症を起こすことで痛みを発生させます。

そして今回のテーマになっている痛風もその一つです。主に足首やふくらはぎに痛みが走り、足を引きずらないと歩けなかったり、風が吹いただけで痛みが走るという表現もされます。昨今ではこの痛風を生み出すプリン体の少ないビールが登場したり、長らく贅沢病として痛風という名前は市民権を得ているのでご存知の方も多いと思います。

それでは詳しく確認してまいりましょう。

痛風の原因は？

痛風を引き起こすのは「プリン体」という物質です。これは食べ物から摂取したり、身体の中でも生成されている物質なのですが、プリン体が痛風を生み出す、ということが広く伝わり、よく悪者扱いされていますね。

しかしプリン体は例えば細胞の中心にある核酸（DNA）を生成するのに使われたり、エネルギーを伝達することで筋肉を動かすのに欠かせない大切な物質です。ですからプリン体は身体に必要な物質で、これを体内にため過ぎることが良くないのです。

ではどうやって体内にプリン体が溜まっていくのか？そしてプリン体と一緒によく聞く尿酸値についてご説明します。私たちの細胞は新陳代謝を繰り返し古い細胞を破壊し、新しい細胞を作っていることはご存知の事と思います。

この時、壊された細胞から出たプリン体は分解されるために、腎臓に流れていき、腎臓内で尿酸という物質に変化します。そして腎臓に溜まった尿酸は尿と一緒に体外へ排出されていくのですが、水分の摂取量が不足したり、プリン体を多く含む食品の過剰摂取によって排出されなかった尿酸は腎臓を抜け出し、徐々に血液に溶け込み高尿酸血症という状態を生み出します。

そして血液に流れた尿酸は足指、肘、膝の関節などに蓄積され、それが尿酸塩という結晶に変化します、この尿酸塩が痛みを発生する原因で、結晶が大きくなっていくと炎症を起こし、ある日耐え難いほどの痛みを発生するというわけです。

ちなみに腎臓に溜まった尿酸は尿路結石を生み出してますから、特に男性にとっては尿酸が溜まっていくことは激痛の種になりますので、是非、注意したいところです。

痛風になりやすい人の特徴

痛風で痛みが出るプロセスはお分かりいただけたと思いますが、痛風の厄介な点は激しい痛みが起こっても数日経つと痛みが引き、寛解（かんかい）期に入ってしまう事です。寛解というのは痛みの根本的な原因はなくなっていないのに痛みは感じないという時期です。

この寛解期があるので、痛みを数日我慢すれば痛風は治る、という感覚に陥り、放置を繰り返し、腎臓の機能障害などに発展してしまうことがあります。原因が不明な病は世の中にたくさんありますが、原因がわかっているものであれば予防・改善に努力しましょう。

また痛風というと肥満体の方がなるイメージを持っている方が多いと思いますが、痩せていても発症する可能性がある方は多くいます。代表的なのがスポーツ選手とボディビルダーの方々です。

例えばスポーツ選手の場合は普段の練習や試合によって細胞の破壊と再生が一般人よりも多く行われるのでプリン体が溜まりやすい傾向にあります。またプリン体が変化する尿酸は汗と共には排出されず、水分を摂取しても汗として流れてしまい、排尿が行われなければ蓄積していってしまうのです。

次にボディビルダーの方の場合ですが、ボディビルダーの方はトレーニング、食生活どちらをとっても痛風になりやすくあります。トレーニングによって細胞の代謝が行われることは前述のスポーツ選手と変わりませんが、食生活に焦点を当てると、昨今注目されている鶏のささみは高たんぱく低カロリーなのは良いのですが、プリン体を多く含んでいる食品なのです。

また、試合が近づいてくると皮膚を薄くして筋肉をよりきれいに見せるために水分摂取に制限を設けてしまい、これによってやはり尿酸が溜まりやすくなってしまうのです。