高齢女性に多い疾患、脊椎圧迫骨折!!

女性よりも男性の方が家庭内では偉い、その理由は外に出て社会経済を回し、お金を稼いでくるからだ。といわれていたもの今は昔、現代社会では女性の社会進出が叫ばれ女性の権利男女平等が多く叫ばれる世の中になりました。

また健康志向の高まりによって、男女の違い生活習慣食生活によってかかりやすい疾患などについて大変多くの情報が出回り、自分の現在の状態や病状から病名が特定出来たりと色々な事がわかるようになりました。

今回のテーマになっている脊椎圧迫骨折骨粗しょう症という骨がスカスカになって骨折しやすくなる疾患が主な原因と考えられており、これは男性に比べて圧倒的女性がかかりやすい疾患といえます。

それでは詳しく確認してまいりましょう。

脊椎圧迫骨折ってなに!?

さて、この疾患について説明してまいりますが、非常に簡単に説明してしまえばこの疾患は骨の強度が少なくなり、身体の重さに耐えきれなくなった骨が潰れたり変形したりしてしまうものです。

詳しい説明は割愛させていただきますが、脊椎とは背骨の事を指しており、身体の中心になって骨格を支え、キレイな姿勢を保つのに欠かせないであり、脳からの電気信号を身体全体に伝える中継地点でもあります。この脊椎に起こる疾患は多くありますが、一例としてあげれば脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)、脊柱側弯症(そくわんしょう)、脊柱分離症(ぶんりしょう)、椎間板ヘルニアなどがあります。

ではこの脊椎圧迫骨折(骨粗しょう症)がなぜ女性に多く発症するのかという問題ですが、これは女性が男性に比べてそもそもの骨格が弱く、間接や骨が変形しやすいこと、そしてホルモンバランスが変化しやすいという事が挙げられます。

女性の骨格が男性よりも弱いことはやはり胎児を出産する為のものと考えられますが、大きな原因はホルモンバランスの方にあると思われます。多くの方がご存知のように女性には月に一度、月経が訪れます。この時、体内では女性ホルモンの一つであるエストロゲンが多く分泌され月経が終わるとこのホルモンは減少していきます。

女性の起きるホルモンバランスの変化

またこの現象は妊娠・出産期でも顕著に現れ、妊娠するとやはりエストロゲンが増え、出産すると今度は母乳を多く出す為のホルモンが出ます。ここで問題になっているのはホルモンの名前ではなく、毎月、そして妊娠・出産によってこれだけ大きく分泌されるホルモンに違いがあるということです。

このホルモンバランスの急激な変化は女性の心身に影響を及ぼし、出産後、産後うつに陥ったり、双極性障害産後精神病などを発症する原因になります。

そして、一番大きなホルモン変化は閉経期に起こります。女性ホルモンの分泌を司っているのは脳の視床下部という所にある下垂体という組織ですが、この時、月経を行うために下垂体から女性ホルモンを分泌するように促されるわけですが、脳の要望に身体が答えられず、混乱をきたしてしまうことで更年期障害が起こるようになります。

さて長々と説明してしまいましたが、今回のテーマに関係するのはここからで、女性ホルモンの一つエストロゲン減少することでなぜ骨が脆くなってしまうのかというお話ですが、それはエストロゲン骨のリモデル(骨代謝)を司っているからなのです。

骨が非常に硬いものであるというイメージはどなたもお持ちだと思いますが、骨は一度出来上がったらずっとそのままというわけではありません。日常的に古い骨を破壊新しい骨が作られており、この活動を骨のリモデルと呼びます。

そしてエストロゲンが減少していくとリモデルの活動が滞るようになり、新しい骨が出来る以上の速度で古い骨が破壊されていき、骨がスカスカになる骨粗しょう症に掛かりやすくなるというわけです。

まとめと注意点

今回は男性に比べて女性の方が多くかかる疾患、脊髄圧迫骨折について、この疾患が女性に多く発症する理由や、女性の一生でどのようにホルモンバランスの変化が起きるのかといったことについて記事を書いてまいりました。

最後に注意点ですが、圧迫骨折は痛みを感じない方が全体の半数以上おられます。骨には痛覚がないので圧迫骨折やヒビが入ったような不完全骨折では痛みを訴える方が少ないのです。しかし放置してしまうとドミノ倒しのように骨折が骨折を呼び脊椎に変形などが見られ、先に登場した脊柱管狭窄症や分離症を併発する可能性が高くなりますので注意しましょう。

もしも、ご家庭にお年を召された女性の方がいらっしゃるときは「背が縮んだ気がする」「背中や腰が曲がった」「寝起きに背中や腰が痛む」「上手く動けなくなった」といった初期症状を見逃さず、疑いがある時は専門家に相談するようにしましょう。

脊髄圧迫骨折に関わらず身体に痛み違和感がある時はお気軽に当院までご相談ください。

圧迫骨折

Posted by nomura_staff